中国で海外駐在した場合の給与のリアル
海外駐在生活が長くなってきましたが、私も、自社の制度ですら実際に駐在するまでほとんど理解していませんでした。
いつか海外駐在してみたい、駐在員の給与はいいと聞いている、という人の中にも実際いくらくらいもらえるの?というのを知らない人も多いのではないでしょうか。
そのあたりの情報を今回は、書いてみようと思います。
大手企業の駐在員の場合 (商社、メーカー、銀行)
日本での給与が30代半ばで年収900万円から1200万円程度(手取り650~1000万円)の方が駐在員として中国に来られる場合、平均的な給与としては、手取りで900万円~1300万円程度になるケースが多いようです。
ざっくり計算して、手取りベースで1.5倍前後になるくらいのイメージです。
なぜ海外勤務になるだけで給与が増えるかというと、多くの大手企業では以下のような手当が付くためです。
- 海外勤務手当
- 単身赴任手当
- 家族帯同の場合の家族手当
- 現地生活費
- 赴任国の危険度に合わせた手当
各手当の金額が種類は会社ごとに少しずつ異なるようですが、日本での勤務と比較して使えるお金はかなり増えることになります。
加えて、賞与は日本と同額程度支給され、住宅は会社負担という形が多いようです。
給与の受け取り方の例としては、日本で年収900万円(手取り700万円弱)の方で、
- 毎月の手取り給与 70万円 (中国生活費 30万円、日本の口座に支給される給与 40万円) × 12カ月 = 840万円
- 賞与手取り 150 × 年2回 = 300万円
- 合計 1140万円の手取り
といったイメージでしょうか。
会社によっては手取りベースで、2倍近くになるケースもあるようですが、一般的には1.5倍前後が目安かと思います。
中小企業・ベンチャー企業の駐在員の場合
東証一部上場企業ではない中小企業や、創業して年数の短いベンチャー企業にて、駐在員として中国に来られる方は、会社によって制度がまちまちですが、大手企業と比較すると、手当の金額などが少ないケースが多いです。
日本での年収に対して、住宅の支給、および、多少の生活費の手当支給を加算する、といったケースが多く、手取り給与ベースでは、日本勤務と比較して1.1~1.3倍程度、といったイメージになる方が多いようです。
大手企業と比較すると、給与はあまり増えませんが、中国の大都市の場合、日本よりも住宅賃貸の相場が高いため、住宅支給があるだけでもかなり使えるお金が変わります。(東京で8万円~10万円程度の部屋を借りる場合、北京・上海では、15万円~25万円程度かかります。)
中国は既に物価水準が安くないうえ、安全な食料、食生活を送るためには、日本よりも生活費が多くかかるケースも多いです。現地の生活費を手当として支給する場合には、日本と比較して、北京・上海の場合、2~3割生活コストが高い前提で手当が支給されることが多いようです。
まとめると、
- 大手企業で福利厚生がしっかりしている会社で中国に駐在する場合、手取りベースで1.5倍くらいは増え、住宅も支給される。
- 中小企業、ベンチャー企業にて中国に駐在する場合、手取りベースで1.2倍程度増え、住宅も支給されるケースも多いが、会社によってまちまち。
といった具合です。